ななつ星も走る九州有数の絶景と歴史ある肥薩線の旅|川線人吉編

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気に行った風景を探し、温泉と旨い肴と酒を求め一人で思いつきで旅しています。国内は北海道、東北を旅することが多いです。旅に出た時ぐらい昼からも飲みたいので、車を使わず回り切れないことも時には……。 あとプロ野球観戦が好きでアメリカにMLB観戦に出かけることもあります。


緊急事態宣言も解除され始め、

久しぶりにお出かけを計画し始める方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

今回は、家族とでも一人でもふらっと行ける、

ローカル線の旅記事シリーズ、

ななつ星も走る九州有数の絶景と

歴史ある肥薩線の旅・川線人吉編をご紹介します。

 

肥薩線熊本県八代駅から鹿児島県隼人駅まで

124.4㎞のJR九州の路線です。

 

1909年(明治42年)全通し、

当時は八代から鹿児島の海沿いのルートが開通前でしたので

九州の南北を結ぶ大動脈の路線でした

 

現在はローカル色の強い路線ですが、

球磨川の流れループ線やスイッチバックで越える、

日本三大車窓の一つに数えられる「矢岳越え」等、

 

風光明媚な路線として、

JR九州のクルーズトレイン「ななつ星」も、

2019年のルートに取り入れています。

 

ななつ星と同じ水戸岡鋭治氏のデザインの観光列車も走り、

気軽に鉄道の旅を満喫できる路線です。

 

今回は肥薩線の旅の前半の球磨川沿いの部分と、

九州の小京都と呼ばれる人吉に関して、ご紹介いたします。

 

SLも走る通称「川線」球磨川を眺めながら、九州の小京都人吉へ

SL人吉号景勝地「川線」を走る

肥薩線の八代駅から人吉駅までの約50㎞は、

日本三大急流の一つである球磨川沿いを走るため、

「川線」の通称があります。

 

この区間は定期運転の観光列車、

「かわせみ・やませみ号」が3往復走る他、

 

3月~11月の金土日祝日中心に(夏休み期間は増便あり)

SLが牽引する「SL人吉号」も運転されます。

 

双方とも、展望スペース、ビュッフェ等車内設備は充実しており、

急流区間のしぶきを上げながら流れる姿や、

 

緩やかな区間ではエメラルドグリーンの美しい川面を眺めながら

鉄道の旅を満喫できます。

 

九州のアメリカ山岳鉄道体験

また開通当時から残る球磨川第一・第二橋梁の二つの鉄橋は、

アメリカの技術者によって設計されたトラス橋で、

その姿も美しくアメリカの山岳鉄道のような雰囲気を味わえます。

 

旅の前半は人吉方面へ進行方向右、

中盤以降は左に流れが沿いますので、左側に沿う時間が長く、

 

JR九州のホームページでのネット予約でも座席指定ができますので、

左側に席を取るのがいいかもしれません。

 

両列車とも熊本駅始発になりますので、博多方面からですと、

九州新幹線からの接続もいい熊本駅で乗り換えが便利です。

 

小京都人吉を歩く

人吉駅前にはからくり時計があり、

駅を降りた瞬間から小京都気分を味わえる。

人吉駅前のからくり時計

 

人吉は四方山に囲まれた地形上天然の要塞になり、

大きな戦乱にも巻き込まれることがなかったため、

 

鎌倉時代の1193年に地頭として赴任した相良(さがら)家が、

明治維新まで約700年統治し、その間に独自の文化を築きました。

 

駅の南側に位置する「阿蘇青井神社」は熊本県内唯一の国宝

阿蘇青井神社

 

熊本県内の国や県指定の文化財等の寺社建築の9割が、

人吉球磨地方にあることから、往時を偲ばれます。

 

その他、桜や紅葉の名所「人吉城址公園」

古い町並みが残る「鍛冶屋町」付近は訪れたいスポット。

 

いずれも人吉駅から徒歩圏で、

タクシーを使っても負担にならない距離です。

 

また市内周遊バスもあります。

焼酎蔵巡りなど飲酒しない人ならレンタサイクルも便利です。

 

2月~3月下旬に開催される「人吉球磨は、ひなまつり」では、

町中各所に雛人形が飾られます。

 

色彩華やかな当地の郷土玩具

「きじ馬」「花手箱」等、雅な文化も残っており、

一説によると、九州の山地に身を隠していた、

都を偲ぶ平家の落人から伝わったとも言われています。

 

町中に20余りのレトロな外湯が点在する温泉場

人吉温泉の開湯は不明ですが、

1492年には、相良氏12代為続が湯治をした記録が残っています。

 

50程の源泉があり、

泉質は無色透明・無味無臭の中性ないし弱アルカリ性単純泉と、

ナトリウム炭酸水素塩・塩化物泉の2系統で、

効能はリューマチ・神経痛・皮膚炎・婦人病と言われています。

 

人吉駅から徒歩圏に旅館、外湯が多く、

列車の旅でも気軽に立ち寄れる温泉地です。

 

人吉温泉の楽しみは、街中に点在する20程のレトロな外湯巡りです。

いずれも源泉を持ち、都会の銭湯より安い値段で入浴できますので、

散策後列車待ちの時間に、一汗流していくことができます。

 

宿泊される方も、宿と源泉が違いますので、

雰囲気を味わいに出かけてみることをお勧めします。

地元の方も訪れますので、お得な情報を聞けるかもしれません。

 

焼酎、夏の鮎料理、そして駅弁

人吉と言えば焼酎の一大産地です。

くまもと酒蔵/ くまBAR

 

「ボルドーワイン」等と共に世界貿易機関(WTO)によって、

地理的産地表示を認められ

「球磨焼酎」の名前は世界に認められています。

 

原料になる米、豊富な水、寒暖差があり、

霧が発生する盆地の地形が、焼酎製造に適し、

16世紀後半室町時代から製造されていると言われています。

 

人吉球磨地方には28の蔵元があり見学可能な蔵元もあります。

 

焼酎のおつまみにピッタリなのが鮎料理

中でも6月下旬から7月にかけてとれる若鮎は皮や骨まで柔らかく、

独特の風味が楽しめます。

 

そして人吉駅の駅弁「鮎ずし」も肥薩線の旅に欠かせない一品。

昆布だしで炊いたすし飯の上に、

酢締めの2匹の鮎をのせて作った姿すし。

 

焼酎のおつまみにもピッタリです。

また「栗めし」も人気の一品です。

 

観光列車の発着に合わせ、懐かしい立ち売り販売が旅を盛り上げてくれます。

立ち売りがいない時間帯ですと駅前の「駅弁やまぐち」の売店で購入できます。

 

大人の一人旅にも最適な隠れ里の旅

かつて人吉を訪れた作家司馬遼太郎は、

「日本でもっとも豊かな隠れ里」と著書に記しています。

 

人吉は、歴史的建造物、雅な行事や玩具、

食や温泉という様々な文化が溢れる、

大人の旅に必要な要素が全て揃った街です。

 

ツアー客も少なく、一人旅にもぴったり。

明治末期の開通当時の面影を残す肥薩線に乗って、

豊かな大人旅に出かけてみてはいかがでしょうか。

 

 

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3 件のコメント

  • 九州遠いのであまり南の方は行ったことないですが、奥がふかいんですね。
    行きたくなりました。

  • 人気のななつ星。春夏のプランが終わり、次は秋冬プランの登場。
    リーズナブルを所望なら、1泊2日の北部九州ルートがおすすめ。
    1日目は博多を出発し、佐世保・長崎方面をまわります。分岐の
    鳥栖まで戻って車泊。2日目は、久留米から久大本線に入り、阿蘇
    の豊後森・由布院・日田をまわって久留米経由で博多へ戻ります。
    料金等詳しくは、オフィシャルにて。
    https://www.cruisetrain-sevenstars.jp/course/

    千葉県・男性・50歳

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