映画好きが集まって映画を鑑賞しながら作品を紹介するWeb番組「Share Impressions」
今回は鑑賞したのは映画版『ウォッチメン』。
なぜこのタイミングで、『ウォッチメン』なのかと言うと、
2009年の映画公開から10年後の2019年に、アメリカでドラマとして新作が放送。
日本では2020年4月より配信も始まり、再び盛り上がりをみせているのです!
”スーパーヒーローではない”ヒーロー達の個性際立つキャラクターや、
暴力や愛憎、社会問題を下敷きにした見どころある作品の展開、
スタイリッシュなアクションや、コントラストの強い画面の色調などなど、注目ポイントは多彩
なかでも映画版では解明つくされなかった数々の“謎”がスッキリと解き明かされます。
だからこそ、ドラマ版を楽しむためにも、絶対に抑えておきたい映画版の見どころを紹介していきます!
映画好きが集るWeb番組「Share Impressions」で鑑賞した映画版『ウォッチメン』。メンバー3人が映画の見どころを3人独自の視点を交えて語り合います!
ネタバレなし!ウォッチメンのあらすじとは?
1984年アメリカ。
ある夜、元ヒーロー達の一人「コメディアン」が何者かに殺害される。
元ヒーローの一人ロールシャッハが事件の真相を追うが、
ヒーロー抹殺事件だと考え、昔の仲間ダニエル、エイドリアン、
Dr.マンハッタン、その恋人ローリーを訪ねる。
ダニエルは過去を自宅の地下に隠し、平穏な日々を送っていた。
エイドリアンは条例前に正体を明かし、大企業の社長になっていた。
Dr.マンハッタンは、対ソ連の「歩く抑止力」として、政府の国防活動に従事していた。
そんな中ロールシャッハは、事件を追う内に濡れ衣を着せられ、刑務所に連行される。
Dr.マンハッタンは、かつての同僚などの病死の原因とされ疲弊し、火星に逃れる。
ダニエルはローリーと恋に落ち、共にかつてのヒーロー活動を再開し、
刑務所のロールシャッハを助ける。
ダニエルとロールシャッハは、エイドリアンに事件の真相を相談するため、
彼の会社を訪れるが、そこはもぬけの殻。
ダニエルは、エイドリアンのパソコンからある真実を知る。
巧妙に仕込まれた設定とキャラクターを解説
ウォッチメンには細かい設定があり、それを追いかけながら映画を見ていると、ちょっと疲れるかも。。
というわけで、まずは簡単にウォッチメンならではの世界観やキャラクターを説明します。
ウォッチメンとは何か
ウォッチメンは、ヒーローでありながら、
スーパーマンのような特別な力を持っているわけではなく、
あくまでもどこにでもいる一般市民からなる自警集団。
ウォッチメンの始まりは1930年代のアメリカ。
ある理由で警察や法律的な制裁ではなく、
個人の正義感によって、コスチュームを着て悪人を成敗する「自警活動」でした。
(※なぜコスチュームを着なければならないかは、ドラマ版シーズン1で解明されています。)
その自警団は「ミニッツメン」と呼ばれており、老いや社会の変化により風化し、
その子ども世代が、時代を経て再編されたのが「ウォッチメン」でした。
とにかく濃ゆいキャラクター!ウォッチメンのメンバーを解説
<Dr.マンハッタン(青光りの男)>
原子物理学の実験中のアクシデントがきっかけで、
超人的パワー テレポート、物質操作、過去や未来の透視などが可能。
超人的能力ゆえ、政府のエージェントとして国防活動にも関わっている。
普段は裸で生活している。
<ロールシャッハ>
暴力的な性格で、条例後も自警活動をつづけている。
マスクは、Dr.マンハッタンが開発した特殊な素材でできており、
性格診断テストの「ロールシャッハテスト」の用紙を模している。
<ダニエル・ドライバーグ / ナイトオウルⅡ世>
ロールシャッハと共に、コメディアンの事件を追う。
自宅の地下は秘密基地になっており、武器や飛行艇が保管されている。
<エドガー・ブレイク / コメディアン>
暴力的で女癖が悪い。
豪腕さやその冷血さを買われ、Dr.マンハッタンと共に、
政府のエージェントして徴兵もされていた。
<ローリー・ジュピター / シルク・スペクターⅡ>
ミニッツメン時代のシルク・スペクターの娘。Dr.マンハッタンの恋人。
<エイドリアン・ヴェイト / オジマンディアス>
容姿端麗、頭脳明晰。
ヒーロー活動後、他のメンバーは素性を隠していたにも関わらず、
カミングアウトし、エネルギー関連の大企業の社長になった。
映画好きが集るWeb番組「Share Impressions」で鑑賞した映画版『ウォッチメン』。メンバー3人が映画の見どころを3人独自の視点を交えて語り合います!
日本での地名度は高くないがゲキ渋なキャストを紹介
Dr.マンハッタン役:ビリー・クラダップ
青くてスキンヘッドなので他の作品とはまるで別人。
『あの頃ペニー・レインと』『BIG FISH』などに出演
ロールシャッハ役:ジャッキー・アール・ヘイリー
小柄だが引き締まっていて身軽。ほぼマスク姿。
『エルム街の悪夢』などに出演
ダニエル・ドライバーグ役:パトリック・ウィルソン
中年のゆるい体のラインや、80年代風のメガネがよくお似合い。
『オペラ座の怪人』『アクアマン』などに出演
コメディアン役:ジェフリー・ディーン・モーガン
『グレイス・アナトミー』『スーパーナチュラル』などに出演
ローリー・ジュピター役:マリン・アッカーマン
グラマラスな体のラインがわかるピッタリとしたボディスーツ姿がセクシー。
迫力あるアクションシーンでも魅了してくれます。
『幸せになるための27のドレス』などに出演
エイドリアン・ヴェイト役:マシュー・グッド
80年代のビカビカスーツや、ウォッチメン一のイケてるコスチュームを着こなす
二枚目担当。
『マッチポイント』『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』などに出演
異彩を放つウォッチメンの注目ポイントは?
ヒーロー映画ではなかなか描かれていない「シリアスな部分」を、
コミカルかつ生々しく描き、ジャンルの中でも異彩を放つ作品のポイント
3点を紹介します。
ヒーローの裏の裏まで描き切る潔さ
本作は、それまでのヒーロー映画では登場しえなかった、
ヒーロー達の醜悪さや、人間っぽさがふんだんに描かれている。
例えばそれは、過剰な暴力であったり、裏切りであるのだが、
それには我々が想像しうるなんともやり切れないバックボーンがあり、
人間の欲や傲慢さなどが生み出した、その”負の産物”は許容せざるを得ない。
しかしそれらが潔く描かれることによって、キャラクターの人間性を理解でき、
よりキャラクターに愛着が持て、世界観に没頭できる。
スタイリッシュなアクションシーン
ネタバレになるが、冒頭からアクションシーンが始まり一気に作品に引き込まれる。
スローモーションやコマ送り、かつ迫力のあるカメラワークで、
コミック的でありながらダイナミックで最高に気持ち良い、
アクションシーンとなっている。
一般人がヒーローになる世界とは
本作の設定の一つとして「冷戦下のアメリカ」がある。
旧ソ連とアメリカの核兵器保有に関してのいざこざ(もっと複雑だが)が、
現実とリンクして冒頭含め作品の端々にコメディー的に登場する。
政治批判であることは明らかであるが、それは政治だけではなく、
市民を守るべく社会制度や法律(警察)制度にも漏れなく向けられていて、
平等の元に平和を目的として作り上げられた規則がいかに不十分であり、
国家権力では治安の維持ができないことへの一つの答えが、
「どこにでもいる小市民自警団ウォッチメン」だったのではないだろうか。
ウォッチメンの葛藤は、人間社会が孕む、ある意味普遍的なテーマであろう。
映画好きが集るWeb番組「Share Impressions」で鑑賞した映画版『ウォッチメン』。メンバー3人が映画の見どころを3人独自の視点を交えて語り合います!
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