なぜやりたいことなのに続かないの?|今日から始めるべき10のこと

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斎藤 誠



「ダイエットをしていたけど1ヶ月でやめちゃった……」

「ブログを始めてみたけれど全然続かなかった……」

最初のうちはメラメラと燃え上がっていた心の火もいつしか消え失せ、

あとに残るのは自己嫌悪。

多くの人が一度は味わったことがある経験でしょう。

そのように、

やると決めたことを続けられなかった人が置かれていた状況は、

以下の2つに大別されます。

・続けたいのに続けられなくなってしまった
・飽きてしまって続ける気持ちがなくなった

こういった状況に陥る経緯は人それぞれですが、

日々の取り組み方を意識するだけで、

続けられなくなる原因を回避することができるのです。

やりたかったはずのことがなぜ続かないのか?

その理由を説明した上で、

今日から始められる具体的な行動プランをご紹介します。

 

続けたくても続けられないのは、精神疲労が原因

疲労・・・“精神的肉体的負荷が継続的に加えられたために感覚や動作などの心理的機能が一時的に低下し,変調をきたすこと。”
(引用-ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典)

疲労のうち、精神における疲労のことを「精神疲労」と呼びます。

この精神疲労に陥ってしまう理由は、

「理想と現実のギャップへの悩み」であったり、

「やらなければと思いつつも、やる気が起きない状態」であったりします。

 

「理想と現実のギャップへの悩み」を抱えている人の中には、

努力をしているのに結果が出ないという人もいれば、

結果が出ているのに気づいていないだけの人もいます。

 

「やらなければと思いつつも、やる気が起きない状態」になってしまっている人は、

作業の精神的な負荷が大きいために取りかかる気になれなかったり、

楽しさを感じていないことが大きな負担になっていたりします。

 

これらのことがきっかけとなって何かをやめた経験があるのであれば、

それは精神疲労が原因となっていた可能性が高いと言えます。

 

物事に飽きてしまうのは、緊張の弱まりが原因

物事に飽きることを、心理学では「心的飽和」と呼びます。

心的飽和・・・“効果がみられない同一の作業を反復し続けた場合,いわゆる飽きがきてこれを続ける意志がなくなること。”
(引用-ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典)

 

何か物事を始める際、そこには大なり小なり決心があります。

その決心こそが緊張状態、つまりは心が引き締まっている状態です。

最初の頃は維持できていた緊張状態も、

大して変化のない日々が続くと徐々に弱まっていきます。

これが飽きるということです。

 

「余力があるのに毎日同じことを繰り返している」

「日々の成果が実感できないために、継続する価値を感じなくなってしまう」

こういったことが緊張の弱まりの原因、

ひいては飽きにつながります。

 

気がつけばやめていたという人は、変化のない状況のなかで、

その物事の重要度が無意識のうちに下がっていたのでしょう。

 

今日から始めるべき10のこと

精神疲労によって、続けたくても続けられなくなったこと。

緊張の弱まりによって、飽きてしまったこと。

誰もが持っているほろ苦い経験です。

 

しかし、その経験こそが「次こそは」という強い気持ちを生み、

これから先、自分の姿勢を正してくれる反面教師となるのです。

ただし、その気持ちだけ持ってまた同じように始めてはいけません。

 

精神疲労や緊張の弱まりに陥らないようにするための、

具体的なプランを用意して臨むべきです。

 

これからまた何かに挑戦しようとしている方や、

すでに何かをやり始めている方は、

ぜひ、以下に記載する10個の行動を取り入れてみてください。

1.スタート時の自分の現状を正しく把握する
2.最初から高い目標を設定しない
3.中・長期的な視点を持つ
4.努力の方向性が正しいかを考える
5.自己効力感を高める
6.目標を数値化する
7.何が障害となっているかを考えて書き出す
8.ノータイムでとりかかる
9.適宜新しいことを取り入れる
10.日々の成果を記録する

 

これらのうち、1〜8までが精神疲労に陥らないようにするためのもの、

そして9・10が緊張の弱まりを起こさないためのものです。

この10個の行動プランをメモ、あるいはスクリーンショットで保存し、

これから何かを始めようとする時、

もしくはモチベーションが下がってきたと感じた時に確認するとよいでしょう。

 

以下では、これらの行動がどのようにして、

精神疲労や緊張の弱まりを回避することにつながるのかを解説します。

 

1.スタート時の自分の現状を正しく把握する

「今の自分には何がどれだけ足りていないのか」をはっきりさせることで、

理想と現実のバランスが取れた、適切な目標を立てることができます。

最初に自分が進むべき方向を見誤ると、

理想の状態に届くまで、必要以上に時間がかかってしまうことになります。

 

これから何かを継続し、やがて結果を出そうというのであれば、

まずは自分自身をしっかりと見つめること。

それが何よりも先に行うべき行動です。

 

2.最初から高い目標を設定しない

最初のうちは無理なく達成できる目標を立てることで、

自分自身に大きな肉体的・精神的負担をかけてしまったり、

早い段階で挫折をしてしまうというのを防ぐことができます。

 

最初のうちは結果を出そうとするのではなく、

毎日少しでも行動することを大切にするのが良いでしょう。

現実的でない目標を掲げて、

自分の首を絞めるようなことは避けましょう。

 

3.中・長期的な視点を持つ

短期的な視点を持ってしまうと、

上手くいっていない状況にいちいち苛立ったり、

ちょっとしたことで心が大きく乱されるようになります。

 

結果が出た日、出ない日といった、小さな振れ幅はあって当たり前。

中・長期的な視点を持つことで、無駄な精神疲労をためずに済むでしょう

 

4.努力の方向性が正しいかを考える

物事を継続している中で、

「自分が正しい努力をしているのか?」と、たまには立ち止まって考える。

これは成功までの最短距離を歩むために必要なことです。

 

一生懸命になればなるほど目の前のことに集中しすぎて、

気がつけば道を大きく外れていたということがあります。

エネルギーや時間の無駄遣いを避けるためにも、

自分が迷子になっていないかをチェックするクセをつけましょう。

 

5.自己効力感を高める

これから挑戦することに対し、「きっとやれる」と考えること。

それを「自己効力感」と言います。

自己効力感を高めることは、精神を安定させること、

そしてパフォーマンスを最大限発揮するのに重要です。

 

実際に自己肯定感が高い人の方が、

そうでない人に比べて、結果を出しやすい傾向にあると言われています。

そこには根拠がなくても大丈夫です。

楽観的になり過ぎることなく、

「きっとやれる」という気持ちで望んでください。

 

6.目標を数値化する

目標を具体的な数値で設定するのは、

自分がその目標をクリアしているのかどうかを客観的に判断するためです。

記事の前半でもお伝えしましたが、

理想と現実のギャップに悩んでいる人の中には、

実は結果が出ているのに気付いていない人もいます。

 

目標を数値化するということは、

このような状態に陥らないようにするためにも有効なのです。

 

7.何が障害となっているかを考えて書き出す

頑張っていても、思い通りに物事が進まない時があります。

そんな時には一度立ち止まって、

何が障害となっているのかをじっくり考えて紙に書きましょう。

 

そうすることで自分が改善しなければならないものの存在が明確になり、

精神の安定を保ったまま、筋道立てて障害を排除できるようになります。

 

例えば、「時間が確保できない」と最初に書いたのなら、

それに対する「なぜ?」をさらに考えて書いていくのです。

続いて「毎日買い物に行っているから」と書いたなら、

「なぜ毎日買い物に行くのか?」というように、

根本的な原因があらわになるまで追及します。

そうして、なぜそのような状況になっているのかを深掘りし、

すぐに改善できそうなところから対処していきます。

 

頭の中だけで解決しようとしてはいけません。

それをしてしまうと必要以上に問題を難しく考えてしまい、

精神的な負荷が大きくなってしまいます。

 

8.ノータイムでとりかかる

ときには、こういった力技も有効です。

「やらなければいけないとわかっていても、やる気が起きない」

「すごく面倒くさいというわけでもないのに、無意識的に逃げてしまう」

このような状態になりがちだと感じている人は、

いっそ「やる」か「やらない」かの意思を排除してしまいましょう。

 

やらなければならないことなら、やるしかないのです。

ロボットのように何も考えずに始めてしまえば、心の葛藤も生まれません。

 

9.適宜新しいことを取り入れる

新しいことを取り入れるというのは、

自分を飽きさせないために非常に大切なことです。

 

「さらに高い目標を達成するため手法を変えてみる」といったように、

新たな挑戦をするのがより望ましいのですが、

単に場所を変えてみるといったことでも構いません。

 

「変化を感じないことには飽きる」

これは抗うことのできない本能です。

気づかないうちにやる気が消失してしまわないように、

常に新鮮な気持ちで臨める環境を作りましょう。

 

10.日々の成果を記録する

毎日どれくらいの成果が出ているのかを記録することで、

自らの成長を実感することにつながり、

その物事を続ける価値を感じられるようになります。

 

逆に成長や変化が見られないのであれば、

「成長していない原因はなんなのか?」

「努力の方向性は間違っていないか?」などと考え直すきっかけとなります。

 

日々の記録は自分自身のことを客観的に判断する材料となる上に、

新たな気づきを与えてくれます。

 

見えない敵と戦おうとしない

「自分は何をやっても続かない」

そう思っている人は、何をどうするべきなのかを深く考えず、

ただ漠然と理想に向かって進もうとしていないでしょうか?

 

始める時こそ、ガムシャラに進もうとするエネルギーや、

思い立ったらすぐにやる瞬発力も必要です。

しかし自分が理想に近づいている実感がなくては、

モチベーションが長続きしません。

 

向かうべき目標がぼやけ、方向も定かでなく、

自分がどれだけ進んでいるのかもわからない。

そして、そうなっている理由もわからない。

それでは見えない敵と戦おうとしているようなもの。

勝ち目がありません。

 

日々の積み重ねで結果を出すには、

具体的な数字に基づく目標設定や、

目に見える形での成長の実感が必要です。

 

これから何かを始めようとしている人、そして今何かを続けている人は、

今回取り上げた10個の行動プランを、ぜひ今一度確認してみてください。

そしてそのうちの1つでも、今日から始めてみてください。

 

何かを続けようと思う「やる気」は、

日々の行動や考え方で作ることができるのです。

 

<参考文献>

J-STAGE:精神的作業負荷に関する人間工学の原則(ISO10075)」 に関する国際活動と諸問題 (著者:青木 和夫)
東洋経済ONLINE:続けられない人の欠点は「努力」でなく「分析」 (著者:名越 康文)
PRESIDENT Online:アドラー心理学で解明「やる気」の出し方 (著者:小島 和子)
文部科学省後援こころ検定:日常用語も心理学では〇〇になる part3

 

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