コロナ禍でなかなか遠方に出かけられずもどかしい日々を過ごしていますが、
日本橋エリアに新たな文化施設がオープンしました。
江戸の頃より日本の経済中心地であった日本橋エリアは、
歴史の宿る老舗店舗や国の重要文化財にあたる貴重なレトロ建築物が数多く存在します。
近年は「コレド日本橋」など新しい和の魅力を伝える街としても話題に事欠かないエリア。
毎年、都内で期間を限定して開催されるなどし、夏の風物詩として愛されてきた
水族アート展覧会「アートアクアリウム」が本年より年間を通して
四季折々の空間を演出する大型常設展「アートアクアリウム美術館」となって
鑑賞できるようになりました。
先日プレオープンにご招待いただき、見学してきましたので早速ご紹介いたします。
新生アートアクアリウム美術館

会場は東京メトロ銀座線・半蔵門線の三越前駅より徒歩2分という立地の良さ。
大通りから少し入った場所にある漆黒の建物です。
従来の展示会場より大幅に拡張され、2フロア・6つのエリアテーマに分かれています。
「水端(みずはな)」・「浮世」・「神秘」の展示エリアに加え、
飲食スペースとなる「老松」・「愉悦」、オリジナルグッズなどを取り扱う「土産」で構成。

”生命の宿る美術館”をコンセプトとした「アートアクアリウム美術館」では、
金魚そして光や音と競演が織り成す芸術的空間となっており、
新しい音響・照明システムを取入れ映像演出面も大きく進化し、
新作も加わり、美しく幻想的な世界となっています。
美術工芸×金魚で構成されたエリア「水端(みずはな)」
ジャポニズムの世界観と造形美を感じるエリアが「水端」。
入口を入るとすぐにそのことを感じるはずです。

入口から見えるのはまるで日本画の額縁のようなZENアクアリウム。
額縁の色と金魚が日本的美意識を感じさせてくれます。
ヴェネチアンガラスアートの最高峰「Venini」は金魚の尾ヒレをかたどった金魚鉢。
ガラス素材の色と形に魅了されます。金魚が日本と海外を結ぶイメージ。
こちらは新作の丸窓リウム。
茶室などの日本建築で用いられる円窓の中に障子が金魚の泳ぐ様子は、
まさに「和」のテイストがマッチしています。
こちらも新作となるセキテイリウム。「石庭」をイメージしたもの。
その他にもフラワーベースとアレンジメントとの共演「フラワーインテリア」、
カレイドスコープをイメージした「カレイドリウム」など様々な美しさと融合したエリアが
「水端」です。
「浮世」、「神秘」エリアでは映像と合わせた空間演出
江戸時代の花街を表現した「浮世」エリアでは、最大で直径2メートルの
巨大な金魚鉢の作品「花魁おいらん」が16個並び、赤や緑などきらびやかなライトアップ。
画像提供:アートアクアリウム製作委員会
過去の展示会では極彩色の作品で有名な写真家蜷川実花氏とのコラボレーションを
行うなどし、演出された空間で、今回もその世界観を堪能するができます。
画像提供:アートアクアリウム製作委員会
水の惑星地球を表現した「アートアクアリウム・ジャポニズム」は、
錦鯉と神秘的な光が「宇宙から見た地球」をイメージさせ、世界観を作り上げています。
「神秘」エリアの新作となる「金魚の杜もり」は、高さ2メートルの円柱水槽が
立ち並び、色とりどりに支柱の色が変化。
水槽上部には森の中で泳ぐ金魚をイメージした3D映像が流れ
2階から俯瞰で見下すことができるので映像と水の色の変化と合わせて
空間演出を楽しむことができます。
アートアクアリウム美術館では、日時指定の「アフター6入場券」があり、
18時以降は館内にてスマホでの動画撮影も可能になっているので、
映像と共演する金魚の優雅な様子をSNSで共有することも可能となっています。
伝統芸能と季節の変化が味わえる有名店とのコラボスイーツも
2階には飲食を楽しめる2つのラウンジスペースが新たに併設されました。
江戸時代に狩野派が描いたと言われる文化財であり、日本の美学を感じられる
「老松」を背景に舞台では伝統芸能のパフォーマンスも上演されるそう。
ラウンジ形式でゆったりと和菓子やカクテルと共に上質な時間を堪能するのが
ここでの過ごし方。
オリジナルのカフェラウンジメニューを味わえる「愉悦」では、
毎年人気の金魚ゼリーに、福砂屋のエシレバター&クリームカステラを味わえるなど、
カフェスイーツも充実。
今後も様々な有名店とコラボしたメニューが順次加わるようで
こちらも楽しみです。

オリジナルグッズを扱うショップ「土産」には金魚モチーフはもちろんのこと、
江戸の風物詩や日本文化を取り入れたここでしか手に入らない様々な商品が
ラインナップされています。
日本の伝統的美術・芸術を現代的な視覚演出と味覚で感じるアートアクアリウム美術館。
デジタル技術の演出がなされた幻想的空間の中でひらひらと泳ぐ金魚に癒されながら
贅沢なひと時を過ごしてみては。
施設情報/アートアクアリウム美術館( ART AQUARIUM MUSEUM)
営業時間:10:00~22:00(変更になる場合あり)
休館日:年中無休(メンテナンスの際、不定期で休館)
住 所:東京都中央区日本橋本町1丁目3
アクセス:東京メトロ 銀座線/半蔵門線「三越前駅」A1出口徒歩2分
東京メトロ 銀座線/東西線、都営浅草線「日本橋駅」D4出口徒歩7分
JR総武線快速/横須賀線「新日本橋駅」5出口徒歩5分
※取材協力:アートアクアリウム美術館/画像提供:アートアクアリウム製作委員会
※その他 写真撮影:こばやしかをる
続いては、アートアクアリウム美術館と併せて楽しめる日本橋エリアをご紹介します。
歴史的建築物が立ち並ぶ日本橋界隈を歩く
1603年に創架され、江戸幕府により五街道の起点として定められた日本橋。
そのすぐ横にある日本橋三越本店、さらに隣には三井本店(現:三井信託銀行)、
裏手には日本銀行本店等々、その歴史を知ると町を歩く時の視点や楽しみ方が変わる
趣のあるスポット。
まち歩きのコツは、少しでも町の歴史的背景を知ること。
そうすることで、自分自身が歴史の中にいる感覚が生まれてきます。
写真左:三越日本橋本店/写真右;三井本館
三越本店(写真左)現在の建物は、昭和10年(1935)に完成。
ルネッサンス式建築の威容を誇り、待ち合わせの場所として有名なライオン像をはじめ、
館内の随所に歴史が刻まれています。
関東大震災・戦前・戦後の動乱など様々な歴史的背景を持つ三井本館(写真右)は
1929年(昭和4年)年竣工。
重要文化財 ローマ風の威風堂々たるコリント式列柱が建物を支えています。
そして三井本館の裏手に回れば日本銀行本店があります。
かつての経済中心地であることがわかりますね。
写真左:日本銀行本店 右は三井本館
外壁は外装材の石と内装材のレンガを互いに積み上げる構造
日本銀行本店は日本現代建築の父と言われる辰野金吾氏の建築。
東京駅の煉瓦駅舎なども建築した日本近代建築のパイオニアです。
辰野氏は日本銀行の支店(大阪・京都・小樽など9店舗)も手掛けており、
主な作品を(建造物ですが)見れば彼の功績は一目瞭然です。
堂々としていて壮大、かつ、風格ある歴史的建築物を前に、
時間の流れを感じタイムスリップできそうな日本橋界隈。
まるで海外のような町を歩くと優雅な気分になれるのが日本橋の特徴です。
また、道幅も広くゆったりと歩ける上、電線がないのでその雰囲気を存分に感じられます。
お金のことを知る|日本銀行分館である貨幣博物館
皆さんがいつも持ち歩いている「お金」。
家計の予算、社内の経費など実際に掛かるお金のことは気にしていても、
お金がどんな役割を持っているかなんて当たり前すぎて考えたことありませんね。
そんな「お金の役割」を知ることができる施設が「貨幣博物館」。
駅からも近く、興味深かったので立ち寄ることにしました。
日本銀行創立100周年を記念して1985年にできた施設で、日本銀行分館にあります。
警備上の理由から入館受付時にはX線検査装置および金属探知機による
所持品検査を実施しています。空港での検査並みなのでこれを体験するだけでも
おもしろい!
ですが館内は撮影禁止。
なぜだかわかりますか?
貨幣は複製が禁止されているからです。
館内に入り、まずは映像コーナーで予習をして展示室内に入るのがおススメ。
予習することで見学する際のおもしろみが増します。
様々なパンフレットがありお子様連れでも楽しめるクイズも
古代7世紀から現在に至るまでの「お金」として価値を生んだものが
何かを知ることができ、お金が作られる行程や、
商人・経済との関わり、発行の経緯、その形やデザイン、
現在の日本貨幣に至るまでを学ぶことができ、今も変わらない生活の中での
お金のあり方を見ることができます。
そして現在の日本銀行がどのように機能しているのかもわかります。
「貨幣博物館」一見の価値あり。
展示室内には他ではあまり目にすることのない
お金にまつわる風刺的な版画絵も見られ、それを見るだけでもおもしろいので
ぜひ立ち寄ってみては。
お子さんの課題学習にもピッタリですよ。
施設情報/貨幣博物館
開館時間:9時30分~16時30分(最終入館は16時まで)
入館料:無料
休館日:月曜日(ただし、祝休日は開館)
年末年始(12月29日~1月4日)
住 所:〒103-0021 東京都中央区日本橋本石町1-3-1(日本銀行分館内)
電 話:03-3277-3037(直通)
アクセス:東京メトロ 半蔵門線/三越前駅(B1出口)から徒歩1分
東京メトロ 銀座線/三越前駅(A5出口)から徒歩2分
東京メトロ 東西線/ 日本橋駅(A1出口)から徒歩6分
JR東京駅/日本橋口から徒歩8分
公式HP:https://www.imes.boj.or.jp/cm/index.html
日本橋エリアの新たな魅力
遠出ができなくても、少し足を延ばすだけで様々な角度から
日本の文化・芸術・美術に触れることができる日本橋エリア。
ショッピングだけでなく、コロナ禍のタイミングを利用して
皆さんも改めて町の魅力を知る機会を作ってみてはいかがでしょうか。
自分の住む町にも思いの外そんな一面が発見できるかもしれません。
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