腸腰筋を鍛えてアンチエイジングを目指そう!コアストレッチウォーキングも紹介!

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伊藤幸子

ペンネームは中丸一沙。森の中でリスや野鳥に囲まれて著作活動に従事。 翻訳の世界から創作の世界へ転向して20年。 ライター歴は8年。 日本の伝統文化や精神世界、ヘルスケアや電子出版など、幅広いカテゴリーのライティングに取り組みながら、自然との共存共生をテーマに命のつながりにフォーカスしたファンタジー小説を執筆中。 愛犬家。著書に『シータとのエチュード』(透土社:発行/丸善:販売)、『いのち輝ける犬』(牧歌舎)、『心のなかの森』(牧歌舎)、フォトエッセイ『ニホンリスのメロウ 軽井沢Kazusaの森の物語』(求龍堂)、その他短編集などがある。


平坦な道でもつまずくことが多くなった。

お尻がたれてきた。

お腹がぽっこり出てきた。

姿勢が悪くなってきた。

バランスがとりにくくなってきた…。

 

最近、こんな悩みを抱えていませんか?

もしいくつか心当たりのある症状があれば、ひょっとしたら腸腰筋が硬くなって

衰えてきているのかもしれません。

 

日頃あまり馴染みのない腸腰筋ですが、実は、身体を若々しく保ち、

運動能力を高めるという役割を担うとても大切な筋肉なのです。

つまりアンチエイジングの立役者。

 

今回は、腸腰筋を取り上げて、その働きや鍛えるためのトレーニング方法を

紹介したいと思います。

筋肉は、いくつになっても増やすことができる唯一の器官です。

腸腰筋を鍛えて、いつまでも若々しいボディと活動的な日々を手に入れませんか?

 

腸腰筋とは?

腸腰筋(ちょうようきん)は、腰から太ももの付け根にかけてついている筋肉です。

大腰筋・小腰筋・腸骨筋の3つの筋肉から構成されているために、

「腸腰筋群」とも呼ばれています。

腸腰筋は、股関節を動かして足を上げ下げする際にとても重要な働きをする筋肉です。

 

なお、小腰筋は、大腰筋の中に埋もれていて、大腰筋の働きを補足します。

もっていない人もかなり多くみられるため、「腸腰筋=大腰筋+腸骨筋」とされる

場合が多々あります。

この記事では、大腰筋と腸骨筋の2つにフォーカスして、その働きを紹介したいと思います。

 

大腰筋の働き

大腰筋は、腰椎に沿って大腿骨頭付近に伸びている筋肉で、腸腰筋の主動作筋

いわれています。

 

この大腰筋には、とても重要な働きが2つあります。

1つは、股関節を屈曲させて足を上げること。もう1つは、腰椎を安定させて

姿勢を維持することです。

したがって、この大腰筋が衰えて硬くなると、足の上げ下げに支障が生じるように

なってきます。

 

足を上げたつもりが上がっていなくて、ちょっとした段差につまずくように

なってきたら、要注意。

しかも、大腰筋が硬くなると、骨盤が前傾してきます。これがくせもの。

前傾がひどくなると反り腰となって、腰痛を起こしやすくなるのです。

また、姿勢を維持するという働きが弱くなるために、美しい立ち姿を保てなくなります。

 

腸骨筋の働き

腸骨筋は、腸骨から大腿骨のつけ根にかけてついている大きな筋肉で、

大腰筋と同じく、股関節屈曲の主動作筋です。

少しだけですが、股関節の外旋作用もあります。外旋作用とは、

たとえば、股関節を曲げて外にひねるような動きのことです。

 

この筋肉が衰えて硬くなると、大腰筋の場合と同じように、

足の上げ下げに支障が出て階段につまずきやすくなりますが、

ことにこの腸骨筋が極度に硬くなると、縮んだ状態になって

骨盤をひっぱるような作用が生じます。

つまり骨盤の前傾を引き起こし、それが腰痛の原因となることが多々あります。

 

このように腸腰筋が衰えてくると、運動能力に支障が出るだけでなく、

姿勢も悪くなって美ボディから遠ざかってしまうことになりかねません。

 

そこでおすすめなのが、硬くなった腸腰筋を柔らかくするエクササイズです。

…とはいえ、腸腰筋は、身体の深層部にある目に見えない筋肉。

どうやって鍛えればいいのでしょう。

 

コアストレッチウォーキングのすすめ

まずおすすめしたいのが「コアストレッチウォーキング」。

このウォーキング法は、東京大学名誉教授の小林寛道先生が提唱する

ウォーキングフォームで、身体の奥深いコアな部分(体幹)にある筋肉に

アプローチして、そこを引き伸ばすために身体をひねるような動きを加えた

ウォーキング技術なのです。

 

コアにある筋肉といってもピンとこないかもしれませんが、背骨周辺にある

筋肉群だと聞くと、何となくイメージできるでしょうか。

実は、腸腰筋はその代表格の筋肉のひとつなのです。

 

コアストレッチウォーキングを日常の歩き、たとえば愛犬の散歩、買い物、

駅への往復などに取り入れることで、衰えた腸腰筋を鍛えることができます。

そのコアストレッチウォーキング、まずは、準備運動から紹介しましょう。

 

コアストレッチウォーキングの準備運動

  1. 腕を振りながら腰も振る。この時、腕振りの方向と反対方向へ腰を振る
  2. この動きに膝の動きも加える。腰と膝は同じ方向へ振る
  3. つま先を地面につけたままかかとを上下に動かしながら膝を上下させる
  4. 片膝が上がった状態で動きを止める
  5. 反対側の膝も同様に行う

次にいよいよコアストレッチウォーキングで実際に歩いてみます。

 

コアストレッチウォーキングのコツ

  1. 膝を伸ばして、かかと~膝~腰~胸が一直線になるように意識をし着地。腰を柔軟に使い、前足の上に同じ側の腰を乗せる
  2. かかとから着地するが、この時、足首は90度くらいを描くように。また、かかとから親指のつけ根に重心を移動させる
  3. みぞおちあたりに股があるような意識で歩く
  4. 歩幅は広くとる

 

このコアストレッチウォーキングを30分、週に3~4回行いましょう。

腸腰筋を鍛えると同時に、有酸素運動のもつ体脂肪を燃やすという効果も

得られるという一石二鳥の効果が期待できます。

詳しいフォームについては、「すこやか大陸37号」(静岡県総合健康センター発行)を

ご覧ください。

 

腸腰筋を鍛える方法

筋肉を鍛えるために欠かせないのは、やはり無酸素運動の筋トレです。

…が、衰えて硬くなっている状態で急激に筋トレを行うのはおすすめできません。

筋トレで重要なことは、その筋肉をやわらかくほぐしておくこと。

つまり、ストレッチで筋肉の柔軟性を高めることです。

以下に、自宅でできる腸腰筋ストレッチを初級・中級・上級の順に紹介します。

 

腸腰筋ストレッチ初級編

初級編としておすすめなのは、朝または夜、ベッドの中で寝たままできるストレッチ

「ニーアップ」です。

このエクササイズは、お尻や太ももの裏側の筋肉をストレッチすると同時に、

反対側の股関節に付着している腸腰筋もストレッチするという効果が期待できます。

腸腰筋が硬くなって腰痛を引き起こしている場合、お尻も太ももも硬くなっている

ことが多いので、ぜひ、積極的に行いましょう。

  1. 仰向けに寝る
  2. 右膝を両手で抱えて、膝頭をゆっくりと胸に引き寄せる
  3. この姿勢を15~30秒保つ
  4. 同じ手順で左膝も行う
  5. これを5~10回繰り返す

 

 

 

 

 

▶ポイント
膝を抱えるときに背中が丸まらないように。背中はしっかりと床につけておくこと。

また、反対側の足も浮かないように、まっすぐに床の上に伸ばしておくこと。

膝と胸の距離が開いてしまうのは、それだけ腸腰筋が硬くなっている証拠です。

少しずつでよいので、根気よく続けることをおすすめします。

 

腸腰筋ストレッチ中級編

中級編は、「椅子に座ってできる開脚ストレッチ」です。

一日中椅子に座ったデスクワークをしている人には特におすすめです。

仕事の合間などに取り入れてみましょう。

  1. 椅子に浅く座って両脚を肩幅よりも広く広げる
  2. 両手を両膝の上にのせて、膝と同じように開く
  3. そのまま腰を前に倒して前傾の姿勢をとり、適度に腰や腹筋に刺激を感じられるところで10~20秒ほどキープ
  4. そのまま左肩を中へ入れていき10~20秒キープする
  5. 身体を前傾させたまま右肩も同じように中へいれていき10~20秒キープする
  6. 身体を起こす
  7. この動作をワンセットとして、5セット行う

 

 

 

 

 

 

▶ポイント
身体を前傾させたときに腰が浮いてしまわないように、両手でしっかりと膝を押しながら

行うこと。

 

腸腰筋ストレッチ上級編

上級編は、立位で行う「片膝立ちストレッチ」です。

股関節を引き伸ばすことで、そこに付着している腸腰筋にアプローチし、

柔軟性を高めるのに効果が期待できます。

  1. 床に片膝を90度の角度で立てる
  2. 前方に体重をのせながら、反対側の足を後ろに大きく引いて伸ばす
  3. その状態で10~15秒キープする
  4. 反対側の足も同様に行う
  5. これをワンセットとして5~10回行う

 

 

 

 

 

▶ポイント
膝を立てたときに上半身が前に傾かないように、まっすぐ垂直に立てること。

両手は腰のあたりに添え、タンデンを意識し、そのあたりに体重をのせるような感覚で行う。

 

おすすめの筋トレ

ストレッチで腸腰筋がやわらかくなったら、いよいよ筋トレです。

ここでは、自宅で、何も道具を使わずに高い効果が期待できる筋トレを3つ紹介します。

 

足踏みエクササイズ

  1. 椅子に座る(立ったままでもOK)
  2. 腕を振りながら片足ずつ、左右左右と、膝を高く持ち上げて足踏みをする
  3. 交互に20~30回行う

 

 

 

 

 

 

▶ポイント
ワンツーワンツーとリズミカルに、できれば、音楽などに合わせて行うとよい。

立位で行う場合は、やはり膝を高く上げること。

 

レッグレイズ

  1. 仰向けに床に寝る
  2. 膝を伸ばした状態で両脚を同時に持ち上げる
  3. 10秒キープする
  4. 両脚を下す
  5. これをワンセットとして10~30回行う

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▶ポイント
両脚を下した時にかかとが床につかないようにすると効果アップ。

両脚を下す時はゆっくりと。

 

Vシットキープ

  1. 床に両膝を立てて仰向けに寝る
  2. 上半身を起こして、両足を床から持ち上げ、背中と太ももがV字を描くようにする
  3. 両膝と爪先は水平に床と平行に保ち、両腕も床と平行に真っすぐに伸ばす
  4. この姿勢を10~15秒キープ
  5. 静かにゆっくりと1の姿勢に戻す
  6. これを10回繰り返す
  7. これをワンセットとして3セット行う

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▶ポイント
V字を維持しているときにバランスが崩れないようにしっかりキープ。

キープしているときも呼吸は止めない。

腰に不安を抱えている場合は2の姿勢からはじめること。

トレーニング途中でも腰に違和感を感じたら無理をせずにやめること。

 

まとめ

いつまでも若々しく元気な身体を保つには、適度な運動が不可欠です。

ウォーキング、スイミング、テニス、ゴルフ、エアロビクス、ダンスなどなど。

若々しい美ボディを目指して、いろいろなスポーツやエクササイズにいそしんでいる

人は多いはず。

 

しかし、それには健全な運動能力を維持する必要があります。

そしてその運動能力は、ほとんどの場合、足をどれだけ上げることができるかに

かかっています。

つまり、腸腰筋が元気かどうか、なのです。

 

それに腸腰筋は、運動能力の維持だけでなく、排便力にも作用します。

高齢になると便秘に苦しむ人が増える原因には、腸腰筋の衰えも関係していることが

わかっています。

アンチエイジングのためのノウハウが溢れかえっている今、

まずは、すべての根本となる身体のメンテナンスからはじめてみませんか?

 

<参考文献>

厚生労働省e-ヘルスネット

すこやか大陸37号」(静岡県総合健康センター発行)

静岡県総合健康センター公式サイト

 

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