その症状「プレ更年期」かも? | 男性も要注意の更年期の秘密

この記事をかいた人

さより

フリーライター。 ブログ歴14年。 女性向けWebサイトを中心に、健康や美容、恋愛などの記事を執筆。 現在はライフスタイル、FXなど幅広いジャンルを執筆中。 好奇心旺盛で多趣味。 プライベートでエッセイと4コマ漫画連載中、夫とゲームアプリ開発中。


40代後半や50代でかかりやすいのが、更年期症状です。

しかし、まだ30代だから…と安心している人は注意しましょう。

 

「最近、すぐイライラする」「疲れやすい」「顔がほてる」

30代後半から40代半ばでこのような症状がある人は、プレ更年期かもしれません。

 

プレ更年期は更年期ほどではないものの、体や心に影響が出始めます。

この記事ではプレ更年期であらわれる症状や特徴、改善策などを紹介します。

 

プレ更年期って何?原因や更年期との違い

日本産科婦人科学会では、女性の更年期を以下のように定義しています。

閉経前の5年間と閉経後の5年間とを併せた10年間を「更年期」といいます。

引用:http://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=14

 

更年期は45〜55歳に多く、次のような症状があります。

  • 血管の拡張や放熱に関わる症状…のぼせ、ほてり、発汗など
  • その他の身体的な症状…めまい、動悸、肩こり、頭痛、関節や腰などの痛み、しびれ、冷え、疲れやすいなど
  • 精神的な症状…イライラ、意欲低下、落ち込み、不眠、情緒不安定など

 

これらの症状が他の病気によるものではない場合、更年期症状にあたります。

女性は閉経前後、女性ホルモンの分泌が急激に低下するのが主な原因です。

一方、プレ更年期は更年期よりも少し前、30代後半〜40代半ばが該当します。

 

プレ更年期の主な原因はストレスです。

ストレスによって女性ホルモンが減り、ホルモンバランスが少しずつ崩れ、

自律神経に影響を与えます

 

動悸や頭痛、眠気もプレ更年期の可能性が!

30代後半〜40代半ばの女性は、卵巣の機能が徐々に低下します。

さらにこの世代は負荷の大きな仕事を任せられる他、

結婚や妊娠、子育て、親の介護など、ストレスが大きくなりやすい時期です。

 

ストレスを受けて自律神経が影響を受けると、更年期に似た症状があらわれます。

それがプレ更年期です。

 

プレ更年期では、以下のチェックリストに書かれた症状が出ることがあります。

  • 月経周期が短くなってきた、乱れるようになった
  • 経血量が多い、少ないなどムラがある
  • 生理前や生理中に疲れやすい
  • 頭痛がする
  • 動悸や息切れをする
  • 肩をもんでも、またすぐにこる
  • 手足を温めるがなかなか温まらない
  • 日中に眠くなる

30代後半〜40代半ばの人でもし該当する症状があれば、

プレ更年期の可能性があります。

 

生活に支障をきたすと「若年性更年期障害」に

プレ更年期の症状は個人差が大きく、中にはさほど感じない人もいます。

寝込む、下痢や皮膚のかゆみなど、日常生活に支障をきたすほど症状が強ければ、

一般的に「更年期障害」と呼びます。

 

若い頃に極端なダイエットを繰り返した人、不規則な食生活を続けた人が

30代後半にホルモンバランスを崩すと更年期障害になりやすく、注意が必要です。

20〜30代でも更年期障害の症状に悩む人が増え、「若年性更年期障害」と呼ばれています。

 

ストレスだけではなく、過度のアルコール摂取、喫煙、寝不足など、

生活習慣の乱れが若年性更年期障害の原因になることもあります。

 

具体的には次のような症状が挙げられるため、チェックしましょう。

  • ほてり
  • めまい
  • 手足の冷え
  • 頭痛

 

若年性更年期障害はプレ更年期よりも症状が重い点が特徴です。

症状がさらに悪化すれば、脱毛や骨量の減少、うつなどを招く場合もあります。

生理不順、膣の乾燥、無月経になる人もいるため、妊娠を望む女性は特に注意が必要です。

 

男性も更年期に?!男性は40代以降に注意を

男性は30歳以降に男性ホルモンの分泌が減り始め、

40歳後半で更年期になることがあります。

中には30代で発症する人もいるため、注意しましょう。

 

男性ホルモンが減ると女性同様、自律神経のバランスが乱れて心身に不調をきたします。

ストレスや運動不足、肥満なども原因といわれています。

男性の更年期は40〜64歳ほどと、女性に比べて年齢に幅があるのも特長です。

 

女性は閉経を境目とし、目に見える症状もあります。

しかし男性は区切りがない上、分かりにくい症状の人もいます。

男性の更年期は個人差が激しく、症状は以下のようにさまざまです。

 

  • 性欲の低下
  • 疲れやすい
  • 判断力や記憶力の低下
  • 怒りっぽい
  • 睡眠中に目が覚めて眠れない
  • 内臓脂肪の増加
  • 頭痛

 

男性の更年期の症状で大きな特長は、太りやすい点です。

「年をとったから太りやすい」と簡単に片付けてしまうと、

場合によっては生活に多大な影響が出ます。くれぐれも注意しましょう。

 

プレ更年期における生理の特長

45〜55歳に多い女性の更年期では、閉経前後にさまざまな症状があらわれます。

明確に分かりやすいのが生理の症状です。

「生理が2〜3ヶ月きていない」「経血量が少ない」など、

これまでとは生理の様子が違います。

 

プレ更年期で代表的な症状も、生理に見られます。

具体的に生理でどのような症状があるのか、以下で紹介します。

 

生理の周期が長い・短い

生理の周期は人それぞれです。

自分の生理周期がこれまでよりも長くなった、または短くなった人は注意しましょう。

たとえば、生理が28日周期だった人が33日周期に変われば、長くなっています。

 

「いつも◯日前後に生理が始まるのに、今月はこない」

「生理が遅れるようになった」

こういった月が続く人は、プレ更年期かもしれません。

周期が短くなった人も同様です。

「いつもより3日早い」という月が続くようなら、プレ更年期を疑って良いでしょう。

 

経血の量にも要注意

プレ更年期では経血の量にも変化が見られます。

更年期では閉経が近づくにつれて、経血量が少なくなるのが特徴です。

 

プレ更年期は経血量にムラがあります。

少なかったり、多かったりと、量に差が生じます。

レバーのような血の塊が混ざる人もいるようです。

 

ただし、生理が8日以上続く人は注意してください。

女性ホルモンの分泌が安定せず、子宮に関わる病気の可能性もあります。

なかなか生理が終わらない人、少量の出血が長く続く人は早めに診察を受けましょう。

 

生理前・生理中に体調が変化する人も

プレ更年期では、生理前や生理中に体調が変わる人もいます。

  • ニキビなどの吹き出物が出やすく、治りにくい
  • 疲れやすい
  • お腹が痛む
  • 胸が張る

 

30代後半〜40代半ばで生理前や生理中にこのような症状があれば、

プレ更年期を疑ってみましょう。

いつもとは違う体の痛み、肌荒れがある人はそのまま放置せず、

早めに婦人科に相談することをおすすめします。

 

プレ更年期だと妊娠できない?妊娠との関係性

プレ更年期では生理に異常が見られるため、妊娠を望む人は不安になるでしょう。

そこでここからは、プレ更年期と妊娠の関係性についてお伝えします。

 

プレ更年期における妊娠の可能性

プレ更年期にあたる30代後半〜40代半ばは、妊娠する可能性があります。

1年過ぎても次の生理がこない場合、閉経とされます。

40歳をこえると避妊しない人もいますが、

閉経まで妊娠の可能性はゼロではありません。

 

40代前後の女性が「生理がこないから閉経するのでしょうか」と相談し、

病院で妊娠検査をすると、陽性だったというケースもあるようです。

妊娠を希望しない人は、閉経するまではきちんと避妊してください。

 

プレ更年期中の妊娠の確率

30代後半以降、プレ更年期の有無に関わらず妊娠の確率はだんだん低下します。

男女ともに同じ年齢の場合、30代後半が妊娠する確率は高くても30%です。

男性が女性よりも5歳上の場合だとさらに低く、20%を下回ります。

 

40歳をこえると10%以下で、妊娠は容易ではありません。

36歳以降は妊娠する確率よりも、流産する確率が上回ります。

プレ更年期にあたる年齢は妊娠しにくく、40代以降は確率が極端に下がります。

「妊娠したい」と思っている人は、早めに妊活で対策をとることが重要です。

 

プレ更年期を和らげるための治療法や改善策

プレ更年期はストレスを受け、自律神経の働きが乱れるのが主な原因です。

心身に影響を及ぼしますが、和らげる治療法や改善策は複数あります。

 

プレ更年期の治療では漢方薬の処方が一般的

閉経前後生じる更年期障害であれば、

ホルモン補充治療(HRT)などで治療が可能です。

しかし、閉経前で卵巣が機能しているプレ更年期では、

ホルモン補充治療はあまり勧められません。漢方薬を処方するのが一般的です。

 

漢方薬は効果が出るまで時間がかかりますが、効果が長続きし、

副作用が少ないというメリットがあります。

女性ホルモンのバランスを整えるのも特長です。

 

プレ更年期では次の3つの漢方薬を主に処方され、「3大漢方婦人薬」とも呼ばれています。

  • 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)…冷え、めまい、頭痛など
  • 加味逍遙散(かみしょうようさん)…イライラ、不眠、肩こりなど
  • 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)…多汗、のぼせ、肩こりなど

 

市販されている漢方薬でもよいですが、

医師が処方した漢方薬のほうが生薬が多く含まれています。

また、自分の体質にあわせて処方してくれるため、

医師に相談して漢方を選んでもらう方がおすすめです。

 

最近ぐっすり眠れてる?睡眠を見直そう

寝る時間と起きる時間が一定しないと、ホルモンや自律神経のバランスが崩れやすく

なります。

プレ更年期の改善は治療だけではなく、規則正しい生活を送ることも大切です。

 

自律神経には「交感神経」「副交感神経」の2つがあります。

交感神経が優位に働くとアクティブに、副交感神経が優位に働くとリラックスします。

自律神経のバランスが崩れて睡眠不足になると、

睡眠不足によって自律神経が乱れるという悪循環に陥ってしまいます。

 

自律神経のバランスを整えるため、なるべく早寝早起きで生活しましょう。

職業によって難しい人もいるかもしれませんが、

なるべく23時、遅くても24時までに就寝するのが理想的です。

 

以下のうち、3つ以上にあてはまると睡眠の質が悪い可能性があります。

  • 朝スッキリと起きられない
  • 朝に排便がない
  • 朝食を食べない
  • 午前中に眠気がくる
  • 休日は平日よりも2時間以上長く眠る

 

遅い時間に食事をとってすぐに眠ると、

消化が終わるまで体はなかなか休めません。

就寝する3時間前には食事を済ませましょう。

 

また、休日の寝だめはあまり良くありません。

できる限り生活のリズムを崩さず、

休日も平日と同じ時間に起床し、眠るように心がけてください。

 

ヨガはプレ更年期の予防・改善にピッタリ!

明治安田厚生事業団の研究では、

「3週間毎日、寝る前に10分間ヨガを取り入れたストレッチを行うと

更年期症状と抑うつが改善された」との結果が出ています。

参照:https://www.my-zaidan.or.jp/tai-ken/introduce/detail.php?id=c3b41ea2c8e0023043386d9dfbc4c097&tmp=1546896998 

 

研究で行ったヨガは、いずれも難しいものではありません。

立ってできる「英雄のポーズ」と

寝た状態でできる「死者のポーズ」をご紹介しましょう。

 

<英雄ポーズ>

  1. 真っ直ぐ立ち、片足を大きく前に出す。もう片足は後ろに下げる。
  2. 息を吐きながら、前に出した足のひざを曲げる。
  3. 息を吸い、頭上で両手をあわせる。(両手を上げるだけでも可)
  4. 視線を上にし、背筋を伸ばす。

 

<死者のポーズ>

  1. 仰向けで寝る。
  2. 両足を肩幅ほど開き、手のひらは上に向ける。
  3. 全身の力を抜き、リラックスする。目を閉じて腹式呼吸をする。
  4. 意識を呼吸から放し、深くリラックスする。少しずつ意識を戻す。
  5. 両手を頭上で上げ、全身を伸ばす。

 

死者のポーズは心の疲れを軽減し、リラックス効果が期待できます。

寝る前、布団の上で行うのもおすすめです。

 

無月経や更年期障害の疑いがあれば、早めに受診を

日常生活に支障をきたしていれば、更年期障害の疑いがあります。

症状が深刻になる前に、早めに診察を受けましょう。

 

プレ更年期の症状によっては、漢方薬以外の治療が行われます。

30代の女性であれば、ピルを処方される場合があります。

ピルには女性ホルモンが含まれているため、

プレ更年期の症状緩和に効果が期待できます。

 

40代の女性がピルを飲むと、女性ホルモンの影響で血栓ができる可能性があり、

ホルモン補充療法(HRT)を勧められるケースがあります。

女性ホルモンを体内に補充し、更年期の症状を和らげます。

 

また、妊娠や閉経以外で3ヶ月以上生理がない状態を「続発性無月経」と呼びます。

ストレスや過度のダイエットなどが原因です。

続発性無月経ではホルモン補充療法が効果的とされています。

放置するほど卵巣機能が働きにくくなるため、早めに受診してください。

 

まとめ

30代後半から40代半ばは、男女問わずストレスを抱えやすくなります。

仕事もプライベートも悩みやすい時期です。

 

特に女性は妊娠できなくて焦ったり、子育てや家事の負担を大きく抱えたりし、

ストレスを受けやすいでしょう。

ストレスがホルモンバランスや自律神経に影響を与えると、

プレ更年期の症状があらわれる人もいます。

 

生理に異常がある人、日常生活に支障をきたすほど症状が強い人は

早めに診察を受けてください。

何かとストレスを溜めやすい、プレ更年期の世代。

時には自分の心や体、生活習慣を見つめ直し、規則正しい生活を心がけましょう。

 

<参考文献>

更年期障害とは(公益社団法人 日本産科婦人科学会)

更年期障害(厚生労働省)

プレ更年期を知ろう!(ルビーナ)

更年期障害とは(みむらレディースケアクリニック)

更年期とは?(富田産科婦人科クリニック)

若年性更年期障害について(DRUGユタカ)

男性にもある更年期障害とは(同友会グループ)

20〜30代でも要注意!?プレ更年期の原因とセルフケア方法(Ozmall)

プレ更年期の年齢と、妊娠の関係(DRESS)

30代後半で妊娠できる確率はどのくらいか(PRESIDENT WOMAN)

更年期はいつから始まる?原因と体の変化を知って上手に付き合おう(朝日新聞 Reライフ.net)

眠ろう、明日のために。(静岡新聞 asten)

プレ更年期の対処法 Part3(VOGUE)

英雄のポーズの正しいやり方と効果(Hot&Shape CALDO)

シャバーサナの正しいやり方と効果(Hot&Shape CALDO)

ピルとホルモン補充療法(Club Nikkey)

 


読み込み中...

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です