不眠解消の新常識|見直すべきポイントとは

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伊藤幸子

ペンネームは中丸一沙。森の中でリスや野鳥に囲まれて著作活動に従事。 翻訳の世界から創作の世界へ転向して20年。 ライター歴は8年。 日本の伝統文化や精神世界、ヘルスケアや電子出版など、幅広いカテゴリーのライティングに取り組みながら、自然との共存共生をテーマに命のつながりにフォーカスしたファンタジー小説を執筆中。 愛犬家。著書に『シータとのエチュード』(透土社:発行/丸善:販売)、『いのち輝ける犬』(牧歌舎)、『心のなかの森』(牧歌舎)、フォトエッセイ『ニホンリスのメロウ 軽井沢Kazusaの森の物語』(求龍堂)、その他短編集などがある。


なかなか寝つけない。

夜中に何度も起きて眠った気がしない。

早朝に目が覚める…。

 

これらは「不眠症」によく見られる症状で、40歳を過ぎたあたりから、

こんな症状で悩む女性が多いといわれています。

そしてこの不眠症がなによりもやっかいなのは、ある日突然やってくることが多いということ。

 

睡眠が十分にとれなくなる不眠症。

身体が眠りを求めているのに眠られないという状態は本当に辛いもの。

ことに女性にとって不眠は、健康や精神面だけではなく、美容にも悪い影響を及ぼします。

 

そこで今回は、この不眠症を取り上げて、どうすれば快適な眠りを得ることができるのか、

具体的な方法を紹介していきます。

とっておきのナイトキャップも紹介しますので、ぜひ心地よい眠りを取り戻して、

ヘルシーで美しいライフスタイルを楽しんでくださいね。

 

不眠症は加齢と共にやってくる

夜眠られなくなるといったことはよくあることです。

たとえば、試験の前とかデートや結婚式の前とか…。

このように不眠も、一時的なものであれば、何ら心配することはありません。

しかし…、よく眠られない状態が1か月くらいつづくようであれば、

不眠症を疑った方がよいかと思われます。

 

この不眠症は、身体的な疾患や心の病などが原因の場合もありますが、

特にそういった原因もなく、突然眠られなくなってしまったというケースの方が多いと

いわれています。

 

厚生労働省の統計によると、現在の日本では、5人に1人が眠りに関する悩みを抱えています。

この割合は、年齢と共に増えて、60歳以上になると3人に1人が不眠で悩んでいるとのこと。

このことから、不眠と年齢には関係があるということがわかります。

では、どんな関係があるのでしょうか。

 

ホルモンと体内時計

眠りにはホルモンが大きく関与しています。

眠りを誘発するホルモンで有名なのが、メラトニンです。

もう1つ、女性ホルモンも眠りを誘います。

生理の前や生理中によく眠たくなる、という女性が多いのは、

その時期、この女性ホルモンが多量に分泌されるからなのです。

 

しかし、これらのホルモンは、年齢と共に分泌量が減っていきます。

ことに女性は、閉経を境に女性ホルモンの分泌量が急激に減っていきます。

これが、更年期を迎える40歳以降に、不眠で悩む女性が増える理由の1つなのです。

 

また、年齢と共に、体内時計にも変化が生じてきます。

厚生労働省のe-ヘルスネットには、「高齢者は、睡眠だけではなく、

血圧・体温・ホルモン分泌など睡眠を支える多くの生体機能リズムが前倒しになる」と

記載されています。

 

いずれにしても、加齢と共に、ホルモンの分泌と体内時計に変化が生じて、

睡眠の質も変わってくるということのようです。

 

もし眠り関して何らかの悩みを抱えているならば、以下のチェックポイントを参考に、

まずよい眠りを得るための条件を整えることからはじめてみることをおすすめします。

 

不眠症を解消するために見直してほしい3つのこと

ホルモンの問題は、専門医に相談して適切な処置をお願いするのがよいでしょう。

しかし、体内時計の問題は、日々の心がけで改善が期待できます。

 

生活習慣の見直し

体内時計は、規則正しい生活によって調整することができます。

それによって睡眠・覚醒の乱れもリセットされていきます。

 

規則正しい生活は、起床と就寝の時間を同じにすることからはじまります。

体内時計は、一日の生活のリズムを調整しています。

これは、一日の生活のリズムが乱れると、体内時計も狂ってしまうということ。

土曜日や日曜日などに夜ふかしや朝寝坊をしがちですが、これもよくありません。

長過ぎるお昼寝も体内時計を乱すので注意しましょう。

 

睡眠習慣の見直し

朝早く起きるのがよいわけではありません。

人それぞれのライフスタイルに応じた睡眠のパターンがあるはず。

大切なのは、自分の生活に合った起床時間と就寝時間を決めることです。

そして決めたら、可能な限り、守るようにしましょう。

 

睡眠のための環境の見直し

よい眠りを得るためには、寝室の中の環境も大切な要素となります。

 

<寝室の明るさ>

寝室が明る過ぎると、入眠を妨げたり、眠りが浅くなって途中で何度も目が覚めたりします。

カーテンを遮光性にする、アイマスクをつけるなど、工夫をしましょう。

 

<枕や寝具が自分の身体に合っているか>

自分に合わない枕や寝具は快眠を妨げます。宣伝に惑わされずに、実際に試用して

自分に合った寝具を見つけましょう。

 

<寝室の中の温度や湿度は快適に保たれているか>

寝室内の適温は、夏は26~28℃、冬は16~21℃で、適湿度は50%です。

また、寝具内の最適温度は、33℃といわれています。

 

<睡眠を妨げるような音>

車や電車の音、あるいはパートナーのイビキなど睡眠を妨げる音は、耳栓などで対処しましょう。

おすすめの耳栓は使い捨ての「MOLDEX 耳栓Pura-Fit」です。

柔らかくて耳の中でふわっと膨らんで着け心地がよいだけでなく、

遮音値のNRR33dB は業界最高値を誇ります。

 

不眠症を解消するための具体的な7つのハウツー

ここでは、具体的に日常においてどういうことをすれば快眠が得られるのか、

ハウツーを紹介していきます。

 

1.朝、太陽の光を浴びる

夜に分泌されて眠りを誘うホルモンのメラトニンは、朝、太陽の光を浴びてから

14~16時間が経つと分泌がはじまります。

夜、たくさんのメラトニンが分泌されてすみやかに眠りに入っていくためにも、

朝の光をたっぷりと浴びましょう。

 

2.適度な運動をする

身体的な適度な疲労は、眠りを誘います。

そのためにも、日中、毎日継続できる適度な運動をすることがおすすめ。

        

3.入浴を効果的に行う

入浴する時間帯は、就寝の直前ではなく、ベッドに入る90分~120分前がおすすめ。

入浴後すぐに眠るのではなく、お風呂から上がって1時間ほど経ってから

ベッドに入るのがスムーズに眠りに入るための秘訣。

これは、人間の身体は、体温が下がると眠くなるという特性をもっているため。

 

4.無理矢理に眠ろうとするのはやめる

眠られないからといって、ベッドにしがみつくのは逆効果です。

 

5.ストレスを解消する努力をする

ストレスがたまっていると交感神経が優位になって、眠られなくなります。

 

6.寝る前の飲食をやめる

寝る前の飲食は、消化活動が交感神経を刺激するためにり寝つきが悪くなります。

飲食は、就寝前の少なくとも2時間までには終えてください。

カフェインなどの刺激物は、数時間前まででストップしましょう。

眠る前の飲酒も、すぐに眠ることができたとしてもその眠りは浅く長続きしないために

NGです。

           

7.昼寝をする

10~15分くらいの短いお昼寝は脳を活性化します。

 

とっておきのナイトキャップのつくり方

寝る前の飲酒はおすすめできませんが、強い鎮静作用のある赤紫蘇と

オレンジキュラソーを使ったナイトキャップを紹介します。

赤紫蘇焼酎は、東洋医学でも不眠の対策によく使われています。

個人差はありますが、寝る前にお猪口一杯、ストレートで飲むだけで、

すうーっと眠りに入っていって、翌朝まで熟睡が期待できます。

赤紫蘇が市場に出回る5~9月がつくり時です。

 

赤紫蘇焼酎

  1. 無農薬の赤紫蘇の葉を1束(1kg)用意する
  2. 赤紫蘇の葉っぱだけをちぎって水洗いをし、キッチンペーパーなどで水気を拭き取る
  3. 果実酒用のボトルに葉っぱをぎゅうぎゅう詰めになるくらい入れる
  4. 焼酎1.8ℓを注ぎ入れる
  5. レモン1個を輪切りにして入れる(発色させるため)
  6. 3か月漬け込む

焼酎の代わりに、ホワイトリカーやウォッカ、ブランデーやウィスキーでも構いません。

 

「ナイト・キャップ」という名のカクテル

リキュールのアニゼットとオレンジキュラソーを使ったカクテル。

  1. ブランデー、アニゼット、オレンジキュラソー、卵黄、ナツメグを用意する
  2. シェーカーにブランデー:アニゼット:オレンジキュラソーを2:1:1の割合で入れて、そこに卵黄を加えてシェークする
  3. グラスに注ぎ、お好みでナツメグをふる

寒い日は、温めてホットカクテルにするのもおすすめです。

小ぶりのカクテルグラスに軽く一杯が適量です。

 

まとめ

不眠の大敵は、緊張や興奮や不安感、そしてくよくよと悩むこと。

「実際に眠られなくても、目を瞑って横になっているだけでも脳は休息できているので、

大丈夫」と、おおらかに構えるのも必要かもしれません。

だからといって、1か月近く眠られないのは問題です。

 

いろいろと試してみたけれど改善が見られないといった場合は専門医に相談しましょう。

最近は、副作用の少ない睡眠薬も開発されているので、

そういった薬を上手に使うことも大事です。

しかし、自己判断で市販の薬に頼らないこと。

睡眠薬は必ずドクターの指示の元で、期間を区切って使うようにしてくださいね。

 

<参考文献>
厚生労働省e-ヘルスネット:

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-02-001.html

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-02-004.html

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/?s=%E5%BF%AB%E7%9C%A0

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-01-003.html

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-01-004.html

 

婦人画報health

大和薬品(株)「加齢と不眠の関係


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