元気なうちに自分の物や財産を整理する、「生前整理」。
年代問わず、死後について考える機会が増え、
生前整理をする方も増加傾向にあります。
特に40代は親が高齢を迎え、実家の整理や介護などを意識する世代。
自分が亡くなった後のことを考え始める方も多いでしょう。
体力も気力もある40代のうちに、自分の生前整理を始めるのがおすすめです。
今回は生前整理のやり方、ポイントなどを紹介します。
生前整理とは?
生前整理とは、元気なうちに身の回りの整理を行うことです。
必要な物と不要な物をわけ、不用品は処分します。
死後に残された物は、家族やパートナーが遺品整理を行うのが一般的です。
もし何も整理していない場合、1つずつ「捨てても問題ないのか」を判断し、
分別・処分をしなければなりません。
生前整理をしておくと、遺族の方の負担を減らせます。
急な病や事故など、いつ何が起こるのかわかりません。
元気に動けるうちに、生前整理を始めましょう。
生前整理は40代のうちに
生前整理は体力だけではなく、判断力や気力も必要です。
40代は体力も気力もあり、まだまだ動ける世代。
少しずつでも構わないので、今のうちに生前整理を進めましょう。
生前整理は
- 人生で何を大切にしたいのか
- 自分には何が必要なのか
こういった、人生や心の整理にもつながります。
今後どんな人生を送りたいのか、前向きに考えるためにも
生前整理はおすすめです。
生前整理のやり方
生前整理では主に、物・デジタル情報・財産の3つを整理します。
物の整理
自宅や実家に置いている物を、次の5つに分類しましょう。
- 普段使っている物
- 手元に置きたい物
- すぐに判断できない物
- 使用していない物
- 誰かに残したい物
1~3の物は基本的に、亡くなった後は処分します。
使用していない物はこの機会に思い切って捨てましょう。
すぐに判断できない物は保管場所を決め、
半年経ったらまた見直します。
誰かに残したい物は知人に譲ったり、リサイクル店やサイトで売ったりし、
なるべく物を減らしましょう。
遺品整理で特に困るのは写真やDVD、ビデオ、日記や手帳といったプライベートな物。
生前整理をきっかけに家族やパートナーと共有したり、
保管場所を紙に書き留めたりするのがおすすめです。
デジタル情報の整理
近年、インターネット上に投稿した写真や文章などの
いわゆる「デジタル遺産」が問題になっています。
遺族であっても故人のアカウントに勝手にログインすると
利用規約違反になる可能性があります。
また、SNSを死後そのままにしておくと悪意のある第三者がアクセスし、
なりすましで投稿する可能性があるため、注意が必要です。
デジタル情報はパソコンやスマホのパスワードの他、
SNSや会員サイトのアカウントなど、さまざまな情報があります。
生前整理でIDやパスワードの情報を紙に書き、まとめておきましょう。
不要なアカウントの削除、使っていないサービスの解約を
済ませておくことも大切です。
財産の整理
財産の生前整理をすると、家族に残したい財産が明確になります。
以下のような財産や書類を整理しておきましょう。
- 銀行口座
- クレジットカード
- 株式や債券
- 貴金属
- 保険関係や不動産関係の書類
- FXや仮想通貨
使っていない銀行口座は今のうちに解約しましょう。
価値の高い貴金属、骨董品を譲りたい方がいれば、
事前に伝えておくのもよいでしょう。
エンディングノートを書く
エンディングノートとは、万が一の場合に備えて
個人情報や死後の希望などを書いたノートのことです。
エンディングノートに書く内容は決まっていません。
主に、以下のような内容を書きます。
- 本籍地や生年月日、血液型
- 親戚や友人の連絡先
- SNSや登録サイトなどのIDやパスワード
- 銀行口座やクレジットカードの情報
- 延命措置を希望するか
- 葬儀の希望
- お墓の場所
市販のエンディングノートを使えば、内容がまとまっているため
記入漏れを防げるでしょう。
ただし、エンディングノートに法的効力はありません。
相続財産は遺言書に記載しましょう。
おひとりさまの生前整理
日本は未婚率が高く、一人暮らしの高齢者が増加しています。
おひとりさまの生前整理では、以下の点に気をつけましょう。
遺言書
財産を相続する人がいなければ、ほとんどの場合は国の財産になります。
相続させたい財産は、遺言書に記載しましょう。
兄弟や親族と疎遠の場合、お世話になっている知人や
友人の方に財産を渡すことも可能です。
ただし、相続税がかかるため、事前に承諾を得ておくことをおすすめします。
お墓
身寄りのない方が亡くなると、
- 遺骨の引き取り手がいない
- お墓参りをする人がいない
といった問題が浮上します。
おひとりさまの方は、墓じまいや永代供養墓がおすすめです。
墓じまいとは、現在のお墓を撤去・処分すること。
遺骨は他の墓地に移したり、別の方法で供養したりします。
永代供養墓とはお寺や霊園が位牌・遺骨を預かり、供養してくれるお墓です。
高齢になるとお墓へ足を運び、あれこれと手続きをするのは容易ではありません。
40代のうちにお墓も見直しましょう。
委任契約を調べる
死後の手続きは一般的には親族が行います。
しかし、身寄りのないおひとりさまは、死後に手続きをする人がいません。
自分が亡くなった後の手続きを生前中に頼める、
「死後事務委任契約」という契約があります。
以下のような手続きを、友人や知人、弁護士などに依頼できる契約です。
- 死亡届の提出
- 葬儀やお墓の手続き
- 入院費の精算手続き
- SNSやブログなどで死亡の告知
- サービスの退会や解約の手続き
おひとりさまは「生前事務委任契約」の検討もおすすめします。
生前事務委任契約とは、心身の機能が衰えたときのサポートを
元気なうちに依頼しておく契約です。
次のようなサポートを依頼します。
- 要介護認定の申請
- 福祉関連の契約
- 入院や退院の手続き
自治体によっては、生前整理や死後事務委任契約などの支援を行っています。
いざというときに備え、40代のうちに調べておきましょう。
生前整理のおすすめサービス
「自分で生前整理をするのは難しい」という方には、
以下のサービスがおすすめです。
生前整理アドバイザーに相談
生前整理で難しいのが、物の整理です。
生前整理アドバイザーには
- どういった物を残せばいいのか
- 何を処分すべきか
などを相談できます。
経験と知識が豊富なため、相談すれば生前整理をスムーズに進められるでしょう。
生前整理パックで片付け
クロネコヤマトの生前整理パックでは
物を「必要品」「不用品」「保留品」に分別。
必要な物は指定の場所に収納し、不要な家電や家具は買い取りも可能です。
譲りたい物を家族や知人に配送するサービスも行っています。
頼れる知人や友人が少なく、第三者に生前整理を手伝ってほしい方におすすめです。
※生前整理パック:https://www.008008.jp/life/service/convenience/service_item15/
遺品整理業者や清掃業者に相談
「物が大量にあり、生前整理が難しい」という方は
業者に相談するのも一つの手です。
生前整理を受け付けている遺品整理業者、清掃業者もあります。
- 仕分け作業
- 不用品の処分
- 清掃
こういった作業の他、業者によってはその場で買い取りにも応じます。
深夜や土日祝日の作業が可能な業者もいるので、
日中忙しく、部屋がなかなか片付かない方にもおすすめです。
まとめ
40代は親が高齢になり、介護やお墓などについて考える機会が多い世代です。
生前整理は、自分が亡くなった後のことを現実的に考えるきっかけになるでしょう。
生前整理を行うと、遺族の負担を減らすだけではなく、
「何を大切にして人生を過ごしたいのか」「葬儀にはいくら必要なのか」など
さまざまなことが見えてくるはずです。
元気な40代のうちに、ぜひ生前整理を始めてみてください。
<参考文献>
「生前整理」は40、50代の人こそ始めどき 人生のやり残しに気づくメリットも(相続会議)
生前整理は親より“自分”から!40代からの「生前整理」のメリットとコツ(AREA)
40代の終活でやるべきこと | 断捨離やエンディングノートの始め方(マイナビ)
生前整理とは?大切な人のために今からできる7つのこと(みんなの遺品整理)
エンディングノートを書くメリットと書き方(株式会社東冠)
おひとりさまのお墓の終活!ひとり暮らしのお墓はどうする?!(いちばんやさしい終活ガイド)
<関連記事>
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