ナチュラルクリーニングとは、
合成洗剤を使わず、身近にある自然由来のアイテムだけで
掃除をすることです。
自然由来の素材なら環境にやさしく、手肌に触れても害がないため、
赤ちゃんやペットがいる家庭も安心して使えます。
素材別の使用方法や注意点
ナチュラルクリーニングでよく使用されている素材は、
下記の4つです。
- クエン酸
- 重曹
- セスキ炭酸ソーダ
- 過炭酸ナトリウム
素材ごとに使用方法や、使用シーン、
注意事項などをご紹介していきます。
クエン酸
「クエン酸」は、レモンやみかんなどの柑橘類や
梅干しなどに含まれる酸味成分のひとつ。
酸性のクエン酸は、アルカリ性の汚れを中和して落とすのが得意です。
クエン酸スプレー
水100mlに対しクエン酸を小さじ1杯入れて溶かし、
スプレー容器に入れば完成です。
バケツにクエン酸スプレーよりも少し濃度が高いクエン酸水を作ると、
クエン酸溶液になります。
<使う場所>
トイレの水垢、お風呂場の水垢、キッチンの水垢など
クエン酸ペースト
クエン酸大さじ3杯に対し水を5ml入れて混ぜ合わせるだけ。
汚れの上に乗せたときにドロっとした状態で
汚れにくっつけばちょうど良い硬さです。
<使う場所>
クエン酸水では落としきれないような頑固な汚れ
クエン酸×重曹
クエン酸は重曹と合わせることで中和反応が起こり、
二酸化炭素の泡を発生させます。
気になる箇所に重曹を満遍なく振りかけ、
その上からクエン酸水をかけて時間を置きます。
<使う場所>
排水溝などのぬめりなど
トイレで使う
トイレの水垢や尿石汚れが気になるところに
クエン酸スプレーを吹きかけ、
トイレットペーパーを貼り付けて
さらにクエン酸スプレーを上から吹きかけます。
2時間程度放置したら乾いたトイレットペーパーでこすり、
クエン酸が残らないように軽く水拭きしましょう。
お風呂で使う
水垢が気になる箇所にクエン酸スプレーを噴射し、
キッチンペーパーを被せ、さらに上から
クエン酸スプレーを吹きかけます。
クエン酸が乾かないようにラップを使ってパックをし、
1時間程度放置したらラップとキッチンペーパーをはがし、
スポンジでこすってからクエン酸が残らないよう
水でしっかり洗い流しましょう。
キッチンで使う
シンク全体にクエン酸水を含ませたキッチンペーパーを被せ、
さらに上からクエン酸スプレーを吹きかけます。
クエン酸が乾かないようにラップを使ってパックをし、
30〜40分放置したらラップとキッチンペーパーをはがし、
スポンジでこすってからクエン酸が残らないよう
水でしっかり洗い流しましょう。
クエン酸の注意点
「カビキラー」などの塩素系洗剤と混ざらないように注意しましょう。
大理石やアルミなどの金属には使えません。
保管時は乾燥した涼しい場所で保管しましょう。
クエン酸スプレーは、1〜2週間を目安に使い切るのが理想です。
重曹
重曹は食塩水を原料に二酸化炭素を加えた弱アルカリ性の物質。
もともと人体にある物質なので、入浴剤や胃薬、
ふくらし粉としても使われます。
安全性が高い洗剤として知られています。
重曹水スプレー
水100mlに対し重曹を小さじ1杯入れて溶かし、
スプレー容器に入れば完成です。
<使う場所>
キッチンの油汚れやお風呂の皮脂汚れ、フローリングの汚れなど
重曹ペースト
水大さじ1杯に対し重曹大さじ3杯をよく混ぜます。
余った重曹ペーストはタッパーなどの密閉容器に入れれば
数日程は保存可能。
<使う場所>
長期間放置していた汚れや重曹スプレーを使った掃除では落とせない汚れ
重曹粉末のまま
重曹は粉末で使用することもできます。
湯呑の茶渋や鍋の焦げ付きの上に直接
粉の重曹を振りかけて研磨剤として使用したり、
キッチンの排水口や三角コーナーなど、
臭いが発生しやすい場所に粉末の重曹を
たっぷり振りかけておくだけで消臭効果が得られます。
トイレで使う
重曹水スプレーをまんべんなく吹き付けて10分ほど放置し、
トイレブラシで全体を磨きあげます。
黒カビやぬめりといった酸性の汚れに効果的です。
壁や床、便器の蓋は、重曹スプレーを
タオルやキッチンペーパーなどに吹き付けてから拭きましょう。
お風呂で使う
浴槽や床は重曹水のスプレーを振りかけて3〜5分ほど放置した後、
雑巾などで拭き取りましょう。
排水口には、粉末の重曹をたっぷり振りかけ、
クエン酸水スプレーを吹きかけます。
炭酸ガスが発泡し、汚れを柔らかくして浮かせる作用があります。
キッチンで使う
軽い油汚れや焦げには重曹水のスプレーを振りかけて
10分ほど放置した後、水で洗い流すか雑巾などで拭き取ります。
こびりついた油汚れや焦げには重曹ペーストをたっぷり塗り込んで
10〜30分ほど放置し、スポンジでこする。
その後、水で洗い流すか雑巾などで拭き取りましょう。
排水口は粉末の重曹をたっぷり振りかけ、
クエン酸水スプレーを吹きかけましょう。
炭酸ガスが発泡し、汚れを柔らかくして浮かせる作用があります。
重曹の注意点
肌が弱い人や長時間使用する場合は、ゴム手袋をする
アルミや銅に使うと、黒く変色する
木や畳に使用すると、黄色いシミになることもある
漆器や大理石、宝石につかうと傷か付くことがあるので、使用しない
密閉して直射日光に当たらない場所におく
セスキ炭酸ソーダ
セスキ炭酸は「セスキ炭酸ナトリウム」とも呼ばれる
無機化合物です。
さらさらとした結晶状で水に溶けやすく、
洗剤として使うと高い洗浄力があります。
弱アルカリ性なので、直接手で触っても手荒れの危険が少ない
セスキ炭酸ソーダ水
セスキ炭酸ソーダ小さじ1が入ったスプレーボトルに水500mlを入れる。
<使う場所>
キッチンの油汚れ、皮脂やアカなどが付いた衣類の洗濯、血液、手アカ
キッチンで使う
軽い油汚れや焦げにはセスキ炭酸ソーダスプレーを振りかけて
10分ほど放置した後、水で洗い流すか雑巾などで拭き取ります。
キッチンの五徳・換気扇の部品、お弁当箱、
ステンレス製のカラトリーなどの汚れが気になる場合は、
セスキ炭酸ソーダでつけ置きするのがおすすめです。
汚れがひどい場合はつけ置く時間を長くすれば
汚れが落ちやすくなります。
洗濯槽に使う
洗濯槽の掃除にもセスキ炭酸ソーダが使えます。
水10リットルに対し、セスキ炭酸ソーダを100gを入れ
洗濯機を回します。
浮いてきたゴミなどを網などですくって除去しましょう。
洗濯用洗剤として使う
セスキ炭酸ソーダは水に溶けやすく、
血液や皮脂汚れ、食品カスなどのたんぱく質汚れを落とすのに
ある程度の効果があるので、洗濯洗剤としても使えます。
水30Lに対してセスキ炭酸ソーダ大さじ1~2杯入れ、
洗濯をしましょう。
セスキ炭酸ソーダを入れすぎてしまうと、
洗濯物に成分が残ってベタベタになってしまうこともあるので、
規定量を守るようにしてください。
玄関のタイル掃除に使う
玄関タイルの汚れの部分にセスキ炭酸ーダ水を吹き付ける5分ほど放置し、
デッキブラシで汚れをこすり落とします。
バケツやホースで玄関タイルにまんべんなく水を撒き、
落とした汚れを洗い流し、雑巾またはモップで玄関タイルを乾拭きし、
水気を取りましょう。
玄関のドアや近くの窓を開けるなどして、
玄関タイルを乾燥させましょう。
セスキ炭酸ソーダの注意点
革、木材畳、アルミ、ゴム、大理石、天然石には使わないようにしましょう。
敏感肌の方は皮膚につかないように気をつけましょう。
過炭酸ナトリウム
過炭酸ナトリウムは、漂白剤の一種である
「酸素系漂白剤」の主成分として使われています。
『オキシクリーン』や粉末タイプの『ワイドハイター』
などの主成分でもあり、自然由来で環境にやさしく、
体への害も少ないのが特徴です。
お湯に混ぜて使う
過炭酸ナトリウムの成分はシンプルなので、
掃除や洗濯などさまざまな使いみちがあります。
基本的な使い方はどれも同じで、40〜50℃のお湯に
過炭酸ナトリウムを混ぜて使います。
<使う場所>
キッチンの油汚れ、 洗濯機、お風呂
キッチンで使う
コンロ周りの油汚れは
「お湯2Lに過炭酸ナトリウム大さじ1杯を混ぜた洗浄液」
で拭き掃除すればOK。
五徳などの焦げがついた物を鍋に入れ、
しっかり浸かるくらいの水を入れます。
大さじ1杯ほどの過炭酸ナトリウムを入れ、
沸騰するまで温め、あとは冷めるまで放置します。
最後にスポンジで焦げ付きをこすり落としたら完了。
洗濯槽に使う
水10リットルに対し、過炭酸ナトリウム100gほどを
熱いお湯に溶き入れ、洗濯機を回します。
少し回して過炭酸ナトリウムを全体になじませたら、
ひと晩ほど放置。
浮いてきたゴミなどを網などですくって除去しましょう。
お風呂で使う
過炭酸ナトリウムを使えば残り湯に
100gほどの過炭酸ナトリウムを混ぜた浴槽に、
小物をひと晩漬け込むだけでいっぺんにキレイにできます。
お風呂の排水溝には、100gほどの過炭酸ナトリウムを
排水口にまんべんなくふりかけ、熱いお湯を注ぎ入れるだけ。
酸素の泡が発生して汚れを浮かして流しやすくしてくれますよ。
過炭酸ナトリウムの注意点
水に溶かすとアルカリ性になり、手荒れの原因になる可能性があるので、
直接手で触れないことをおすすめします。
変色や素材が痛む可能性もうあるので、
デリケートな素材には使わないようにしましょう。
ナチュラルクリーニング環境に優しいお掃除
身近に手に入りやすい素材でお掃除できるのが、
ナチュラルクリーニングの魅力。
手作り洗剤は作りすぎると保管に困ったりするので、
適量を作って環境に優しいお掃除をしてみてくださいね。
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